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人生とは不思議なもので、懐かしく思い出されるものは、おそらくその全てがお金では買えないものだ。どれだけ事業を拡大しても、一番欲しいものは結局のところ素朴な味と心のこもったおもてなしなのだ。 |
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どんな人でも一生の間に多かれ少なかれ他人の援助を受けるものだ。我々がこの地上で幸せに生活できるのは、多くの人々が気持ちと力とを差し出してくれるおかげであり、その分だけ我々は恩恵を心に留めておかなければばらない。つまづいた時に支えてくれたとか、急用の時にお金を貸して便宜をはかってくれたとか、我々はその一つひとつを心に留めておくべきた。そして受けた恩は10倍にして返さなければならない。 |
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知己はとても大切だ。良き友は前進する力をもたらしてくれるからだ。人生には常に起伏があり、低調な時こそ友情の温かさが一番必要となる。逆に、友人を励ます必要があるときは、自分が手を広げて抱きしめる番なのだ。国内外の政府要人や有力者は、その活躍中は多くの人に囲まれ、みなが争うようにコネを作ろうと寄ってくるが、しかしその舞台から降りた途端に、冷たくなり忘れ去られる。雪中に炭を送るような忠誠の友人であってこそ、友情は末永く続いていくものだと私はいつも自分に言い聞かせている。 |
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人生で最も大切なことは、お金を儲けて増やすことではなく、お金をよりよく使い社会の財産を増やすことだ。 |
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政府に道徳心があれば、あらゆることは国民のことを考えて行われる。企業家に道徳心があれば、金儲けも正しい道に基づくものとなる。どんな事であっても、成功の秘訣は道徳にあると私は思うのだ。 |
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私は船に乗るようになると、すぐに読書を習慣づけるようになり、それは今でも変わることなく、生涯にわたって有用なものとなっている。情報を吸収するにはよく消化をして、その中にある趨勢をつかむことが重要だ。ただパラパラと気ままに頁をめくって眺めて終わりにしてはだめで、粘り強く飽きるほどに読まなければならない。長栄集団の今日の発展があるのも、当時の私がコンテナ輸送について情報を大量に収集してきたことと大いに関係している。現在はインターネットの発達により、多くの人々が朝から晩まで指を滑られせているが、それも単なる趣味にとどめてしまってはだめで、学ぶならば徹底的に学ばなければならない。読書の形式がどれだけ変化しても、ここに「成功の秘訣」がある。 |