世に問う!言わずにはいられない
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74.マグロの資源保護  2010年3月24日
クロマグロの大西洋・地中海産の禁輸案が、ワシントン条約締約国会議において否決された。モロッコ提案によって一時は可決されるのではないかと、日本の関係者の注目を一心に集めていた。
ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)の漁獲枠を守らない乱獲が指摘されている。乱獲されたクロマグロの大半が、日本で消費されているだけに日本に対しての風当たりも一層強い。

そんな中、2/3(反対68、賛成20)以上の圧倒的多数の反対投票があり、消費大国日本にとっては有難い結果となった。途上国への根回しも功を奏したのだろうが、輸出する側にとっての利害の関係が大きかったのではないだろうか。
日本の食文化にとって、クロマグロは歴史も決して浅くはない。
記録としては農商務統計表によると、1848年から記録として残っている。1935年には収穫量が既に1万トンを超えている。

大トロの刺身は極上の逸品だし、ナマは勿論のこと、煮ても焼いても旨い。
個人的には比較的値段の手ごろな赤身が好きだが、速い時には70〜90km/hの遊泳速度での高速で回遊するため、特に持久筋である赤筋が発達している。
体長は孵化後22日前後で約3cmに達し、74日ぐらいで約25cmにも達するらしい。成魚で大きいものになると全長約3m、体重で約400kgにも達すると言われている。
アーネスト・ミラー・ヘミングウェイの「老人と海」にも出てくる。アッ失礼!あれは巨大なカジキマグロだったか・・・。


何れにしても、日本人にとってなくてはならない食材の一つでもある。
しかしながら、現実問題として、個体の数が減っているのも厳然たる事実である。環境保護団体の提唱に耳を傾けない訳にもいかないだろう。
資源の保護は未来永劫この食文化を守る上で必要不可欠である。資源の保護にむけ、最大消費国として真剣に検討する必要がある。

   マグロの陸上養殖    


近畿大学の水産研究所(和歌山県串本町)では、不可能と言われていたクロマグロの完全養殖を、32年もの歳月をかけて見事に成功している。今現在年間約2000本以上もの出荷に成功しているという。
今後の課題としては、供給態勢として安定した養殖技術の確立だとのこと。輸入に頼らず最先端の技術を駆使した完全養殖技術によって、もっと多くの出荷に成功するならば、個体数の減少に歯止めをかけられるのであろうし、更には、孵化技術の精度をもっと高め、消費量以上の稚魚を放流するのであれば、環境保護団体や、今回賛成派に回ったEU諸国やアメリカに対しても理解を得られるのではないだろうか。

何れにせよ、この問題を日本の食文化を支える上で、1私立大学や企業では到底やれるものではない。したがって日本政府が、早急に検討し、実行する必要があるのではないだろうか。



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