世に問う!言わずにはいられない
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126.重い決断 2011年10月23日
平野復興担当大臣が、津波に逃げ遅れた犠牲者に対しバカ呼ばわりしたとする問題を、野党側は来週から本格化する各委員会での質疑で、その責任を追及する構えのようだ。
事の発端は今月の18日、福島県で開かれた参議院民主党の研修会での発言の折、津波にのみ込まれて亡くなった同級生への無念の思いが、「バカ」という言葉で表現してしまったもの。
勿論、単なる思いつきや感情で、人を馬鹿にするような行為や言動はあってはならないし、公人としての立場上、言葉を選んで慎重に話す事は言うまでもない。
しかしながら、今回の大臣の言動の真意は、果たして犠牲者を馬鹿にするような行為になるのだろうか。私にはそうは思えなかった。

人間誰しもそんな表現があっておかしくはないし不自然だとも思えなかった。
友人ともなれば当然の表現だと私は思う。
もし仮に、私の友人が同じような立場になったとしたら、おそらく「バカ野郎、お前、なんで逃げながったんだ!」と友人の墓前で号泣するだろうし、勿論皆そうするのではないだろうか。
悔しくて悔しくてどうしょうもない衝動にかられるに違いないのである。

寧ろ、そんな言葉尻を捉えたり、揚げ足を取る野党の行為じたい如何なものか。大臣の友人が、津波が来る事を重々承知の上で、どのような立場や気持ちでいたのだろうか。
今となってはその詳しい状況や思いを知る術もないが、私の知人の一人に、今回の津波により壊滅状態となった陸前高田市在住の聡明な若者がいる。

高田市はご周知のとおり、行方不明者を含めると約1800人を超える尊い命を失った被災地である。
実は、彼の叔母さんも犠牲となった一人である。聞くところによれば、近所のお年寄りの避難を手伝っている最中に津波に巻き込まれたとの事だった。最後の最後迄、自分の命よりも、周りの人達を気遣っていたようだ。

津波避難の教訓として、「先ず高台に逃げろ」「後戻りはするな」「自分の身は自分で守れ」などがあげられるだろう。
しかしながら、今回の叔母さんのように、近くにお年寄りや小さな子供が居たとしたらどうだろうか。
自分一人で果たして逃げられるものだろうか。実に重い、実に苦しい選択であり決断である。
ひしひしと身につまされる思いがする問いである。

津波の猛威が押し寄せる中、冷静な判断を下す事が果たして可能なのだろうか。
私には、冷静な判断を下せる自信はない。
前述の叔母さんのような行動を、果たしてとれるのだろうか。
そして、人間として、どちらの判断が正しいと言えるのだろうか。
とてもとても、重く、苦しい決断である。

彼が話していた。「どちらの考えも正しい」と。・・・実に重い一言であった。



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