後は最終決定機関である世界遺産委員会により最終決定を待つばかりとなった。
但し条件としては、中尊寺、毛越寺、金鶏山、観寺在王院跡、無量光院跡、柳之御所遺跡の今回6箇所に絞っての登録申請だったが、柳之御所遺跡を省く事が条件として提示されたとの事だった。
他には、国際自然保護連合(IUCN)の登録勧告を受けた「小笠原諸島」(東京都)も正式登録が濃厚となった。
当初予定では、今年の世界遺産委員会会場はバーレーンを予定していたが、中東情勢の不安からフランスのパリに変更となり来月の6月19〜29日に開かれ、その場で正式決定される。
しかし、イコモスやIUCNでの決定は事実上の内定を意味するそうだ。
3年前の世界遺産登録申請では
1.文化的伝統の存在を伝承する物証が無い。
2.傑出した空間造形の見本とは言えない。
3.世界的にも比類のない土地利用形態とは言いがたい。
4.浄土思想の各論点で世界遺産にふさわしい普遍的価値の証明が
不十分である。 |
などの理由によりイコモスでの延期勧告を受け涙を呑んだ経緯がある。
奇しくも3年前、カナダのケベックで開かれた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、登録延期の勧告を受けた約1か月前の2008年(平成20年)6月14日には、平泉町の隣町、岩手県一関市の祭畤地区を震源とする岩手宮城内陸地震(震度6強)が発生した。
今回も、世界遺産委員会開催予定の約3か月前の3月11日には、東北地方太平洋沖を震源とする、1000年に1度と言われる未曾有の自然災害「東日本大震災」に見舞われた。
まさしく、平泉をとりまく「大地震と世界遺産登録」に関して、因縁めいたものを感じてならない。
何れにしても、平泉の文化遺産や小笠原諸島が今回の世界遺産登録を決定した事により、被災地である岩手県は勿論のこと、東北全体、いや日本全体の復興に大きく寄与するものと確信している。
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